「食べなくなる最期」を見守る勇気
遺族アンケート
92歳父/看取った人・娘/神奈川県/2025年回答
父は、インフルエンザから肺炎となり入院しました。治療により肺炎は治り退院しましたが、体力が落ち食欲も戻らず亡くなりました。施設に入居していたため、家族がずっと父のそばにいられるわけではありませんでした。当時は、施設内でもインフルエンザが流行してしまい面会さえもできなかったため、もっと家族から積極的に食べさせてあげればもう一度回復できたのではないか…とそこが悔やまれます。LW(注)(リビング・ウイル)の意思は尊重されたと考えますが、それが退院後の施設の対応として私の気持ちと少し距離があったなと感じています。
協会からのコメント
インフルエンザの流行による病院や施設での面会制限はやむをえない中、お父様のそばにいられず「もっと食べさせてあげたかった」という後悔のお気持ち、胸が痛みます。
ご本人のリビング・ウイルの意思が尊重された一方で、施設の対応とご家族の思いとの間に生じた距離感は、現代の介護・医療現場における大きな課題だと認識させられます。
「食べさせてあげたい」ご家族の気持ちに応えて、様々な嚥下しやすい食材が工夫・開発されてもいます。一方で「食べる必要がなくなった高齢者の自然な生理」を、家族がただ見守る勇気もまた必要なことを、介護や医療者たちがもっと丁寧に繰り返し伝え続けていく努力も必要な気がします。
おつらい中で、他のご家族にとっても示唆に富む貴重なご意見をお寄せいただき、感謝申し上げます。
編集部注)
LWとは、リビング・ウイルの略で、元気なうちに自分が望む終末期医療の希望を書き記した生前の意思表示のことです。

