「私、パッと死ぬから。見ててね!」
遺族アンケート
「延命治療は受けたくない」と常日頃から周囲に言い、かかりつけ医にも尊厳死協会会員であることを知らせていた母は「私、パッと死ぬから。見ててね!」と、それはもう、信念というか、自分の肉体細胞たちに言い聞かせているようでした。そして、本人の希望通りの見事な死に方が出来ました。自分がどういう死に方をしたいのかを考え、意志表示できる機会を与えて下さったことを、母に代わって感謝いたします。母は毎晩神様に祈っていたと日記に書かれていました。「死ぬときは、人々に迷惑をかけないようにポックリ苦しまずに死ねますように」と。
協会からのコメント
「意思あるところに道あり」「念ずれば通じる」とも申します。信念がおありだったから尊厳死協会員になられたのか、会員になることで生まれた信念なのか定かではありませんが、ともかくご本人の強い信念が「火をも涼し」と感じさせる偉大な力を発揮することは、様々な偉業を為し遂げる人々の事例を通しても教えられるところなので、仇や疎かにはできません。なんとも「あっぱれ」との一言に尽きます。お母さまが、「自分の肉体細胞たちに言い聞かせている」ほどの信念がおありだったこと、周りにも話し、日記にも書き、日々祈りの言葉にしておられたという「繰り返し反復、唱える」効果は参考にさせていただきます。と、同時に「自分がどういう死に方をしたいのかを考え、意志表示できる機会を与えて下さったことを、母に代わって感謝いたします」というお言葉が、私たちとしては一番嬉しく励みになりました。
心に残る看取りのエピソードを寄稿下さりありがとうございました。