冷たい息子と思われていないだろうか。罪悪感があります。

遺族アンケート

「日頃からピンピンコロリと死にたい」「延命治療はしないでほしい」、そして貴会に入会していることを母は申しておりました。子の私としては、軽く受け流していましたが、現実にその場面に立ち会うとつらいものがありました。が、本人の意志を尊重するということで、その他家族に受け入れてもらい、延命治療をしないことを申し入れましたが、今も少し私の中にも罪悪感があります。もしかしたら冷たい息子と思われていないか、です。

協会からのコメント

《尊厳死を希望する親の看取り》は、その意思を代諾してくれる人(代諾者:本人の医療上の希望を代弁し実行してくれる人)が必要です。本人の希望を親戚縁者、医師をはじめとする医療・介護関係者にも代弁し、延命治療をしないと明確に伝える必要があります。それは、あたかも死の宣告を自分がしてしまうような罪悪感というか、恐怖感をともなう経験です。「傍らに寄り添い看取る」ということはそれほど大変なことなのです。だからこそ、逝く人は自分の代諾者の罪悪感を極力少なくするための手立てを尽くしておくことが何より大事だと、わが身の体験に置き換えても切実に感じます。

お母様はそのことを心得て、繰り返し言葉にし、ご家族に言い聞かせ、さらに尊厳死協会に入会しているという事実を遺してまで明確に意思表示されていたのです。罪悪感など持つ必要はありません。逃げずにお母様の希望を叶える行動を果たせたことに着目し、「立派に代諾者の役割を果たせた」と、ご自分を称えてあげてください。