気が動転。救急隊員から聞かれたことは・・。

遺族アンケート

救急隊員の方から、「管を入れてしまうと植物人間になっても医師は死亡するまではずせない
。どうしますか?」と聞かれました。元気な時から尊厳死を希望し終身会員でしたが、そのこと事を告げる前に救急隊員から聞かれた事は、気が動転している時であった為ありがたいと思いました。定期的に外来受診している医師に対応していただけたので、すんなり本人の希望は受け入れられました。貴会員であった為スムーズに事が運びありがたいと思いました。

協会からのコメント

 救急隊員の機転の一言が光る、貴重な投稿です。気持ちが動転している家族への言葉かけを熟知した素晴らしい対応だったのだと感動します。この一言のおかげで「尊厳死協会の終身会員であった」ことを奥様が思い出され、その後の適切な対処につながったのですから。いざ!その時になると、こんなにも「気持ちが動転する」ものなのですよね。

救急隊員は到着時のご本人の状態、その場の家族の雰囲気と環境のもとで、瞬時に多くのことを察知しなければなりません。①かかりつけの医師の存在、②病気、③延命はどうしますか?と聞いてくれます。その時、冷静な対処ができるように生活者の私たちも日ごろから、判断の拠り所になる物、具体的に見せられる物を準備して、夫婦や家族でくりかえし話題にしておくことの必要を教えられる“看取りのエピソード”です。

1在宅医療・在宅看取りや緩和ケアということが地域の生活者や医師や看護師、医療機関で理解され浸透しているか?というと、実に様々であることを会員の皆様からの投稿で知ることができます。
2在宅療養中の方が急変して思わず救急車を呼び心肺蘇生を受け「こんなはずじゃなか 
った」と悔やんだり
到着した救急隊員に蘇生処置を断り救急隊員が対応に苦慮したり
3「延命処置をしないで病院へ搬送というのはできない」という地域や組織もある
一方で
4「延命をしない」と伝えると緩和的な応急処置レベルで対処しながら、かかりつけ医に連絡を入れて対応を確認し搬送してくれる地域もあるなどなどです。

日本では一度挿管した人工呼吸器を「医師は死ぬまで外せない」?

今、その「挿管中止ができる法制化」をめぐって多くの議論が重ねられている最中です。ただ、どんな法制化もそうですが、日常生活で何も不都合が意識されていないのに、突然法律が制定されるわけではありません。生活の中での不都合な事例が重なり、意識化され、それがどう改正されたら多くの人の幸福が得られるのか?関係者の納得のための丁寧な議論のプロセスが必要とされています。皆様から寄せられるエピソードの一つひとつを“小さな灯台プロジェクト”は大切に照らし、その議論を支える力にしていきたいと思います。これからも貴重な体験の“看取りのエピソード”をお待ちしています。