身体を傷つけることなく、大きな苦痛もなく

[祖父の看取り]

遺族アンケート

2011年12月に容体が悪化し、聞くことはできても話せない状態に。胃ろうは拒否する旨を聞いていたため、経鼻栄養にとどめ、7年生き延びました。本人から言葉を聞くことはできませんでしたが、こちらの話しかける内容に反応し、調子のいい時には笑い声をあげることさえありました。ほぼ安定した状態で、最後の2か月は点滴のみ、身体を傷つけることなく、おそらくは大きな苦痛もなかったと思われます。

リビング・ウイルがあったため、家族として判断に迷わずにすみました。

協会からのコメント

長寿時代の今日、子より長く生きる高齢者も多くなりつつあります。高齢多死社会での「看取り」の実情は多様化し、想像を超えたものになっていくでしょう。これからは「近親者」のいない「お一人さま」が増えていくように思います。

今回の祖父と孫の間の「看取りのエピソード」は、年齢が離れていて生活体験や価値観が異なっていても、時間を越えてつながることができるという好例です。孫にとってもよきお手本となった逝き方だと思います。 

尊厳死協会に入会するという行動と確かな文書があったからこそ、世代差を越えて愛あるつながりが成立したのではないでしょうか。

家族が迷わず判断できる拠り所として「意思表明」しておくことの大切さを、多くの人に知ってほしい「看取りのエピソード」です。