母に苦痛がなかったのか、未だに気がかりです
遺族アンケート
94歳母/看取った人・息子/神奈川県
入院先の担当医・看護師の方々にはリビング・ウイルが全面的に受け入れられました。母の病状は口からの飲食不可、便尿も失禁状態で、首もすわらず、言語障害も重症で右半身麻痺もあり、延命装置なしでは生き続けられない状態でした。生前、母が一番嫌っていた状態でしたので、リビング・ウイルに従って延命装置を拒否し、退院して終のすみ家の自宅に……全て母の希望にそえたと思っています。ただ、点滴も外して退院後死期に至る9日間、本当に母に苦痛がなかったのか、それだけが未だに気がかりになっています。
協会からのコメント
リビング・ウイルの意思表明をして協会に登録までしていても、勇気をもって医師や看護師に伝え、自宅に連れて帰るという行動をしてくれる“代託者”がいなければ有効に機能しません。最期の9日間をご自宅で過ごせたことは素晴らしいことです。【小さな灯台・情報BOX】の「安らかに健やかに最期を過ごしていただくために、私たちにできること」を読んで、良いケアをしたことを確認して,自信をもってください。臨死期にあっては、水や食べ物を吸収・消化することができない状態であることが多く、仮に点滴をすれば身体の浮腫みとなりつらくなります。お母様は9日の間、トロトロと眠るような時を自宅で過ごし、満足して旅立たれたと思います。それでも、哀しい気持ち、悲嘆感情があるのは自然なことです。
今はまだおつらいでしょうが、だからこそ「小さな灯台」は、繰り返しお母様の希望を実現する立派な役目を果たされたことを讃えたいと思います。本当にお疲れ様でした。共にお母様のご冥福をお祈りしております。