コロナ感染予防第一で管理され……
遺族アンケート
80歳夫/看取った人・妻/千葉県/2022年回答
発病から7年間の闘病。最後の1年間は再発転移の対応に追われ、抗がん剤の副作用はさすがにギブアップ。本人自ら主治医に治療終了を告知、自然の流れに従い受容していたが、最後の部分での心の通いあいが不十分であったと思う。コロナ感染予防が第一で、2週間ごとのPCR検査を娘と本人で3か月間、自己負担で続けなければ面会付き添いはできなかった。
コロナ感染予防第一の方針で管理されていた。入院時に会員表示を誰にすべきか方法が不明であった。コロナ対応ばかり先行していた。
協会からのコメント
コロナウイルスの蔓延(パンデミック)の対応策で世界中が緊急対策をとらざるを得なかったこの数年間。マスクの着用、手洗いの習慣化、人の接触を避けるため街はゴーストタウンになったことも。感染予防への意識は向上し、よい影響もありました。しかし医療現場ではコロナ対応が先行し、極端に家族の面会もできなくなりました。
そして誰にリビング・ウイルを伝えてよいのかタイミングがなかったこと、リビング・ウイルの有無に関係なく、付き添いも許可されなかったこと。コロナにより大きな影響を受けざるを得なかった日々に、救いは「本人自ら主治医に治療終了を告知、流れに従い受容」できたことです。どうしたいのかわからないより、曖昧なまま流されるより、ご本人による「意思の表明」はそれだけでご家族にとって慰めの力になるものなのだと教えられる「看取りのエピソード」です。ご家族ご本人の意思が尊重され穏やかに旅立たれたのではないかと思います。
コロナ禍の看取りで後悔を残されたご遺族が多かったことを「小さな灯台」は記録に残しておきましょう。ご冥福を心より お祈りいたします。