夫が選んだリビング・ウイルと献体
遺族アンケート
88歳夫/看取った人・妻/東京都/2022年回答
親戚に寝たきりの植物人間という状態の人がおり、そのようなことには絶対になりたくないと考えていましたし、献体の手続きもしていましたので、迷いなく医師に伝え了承されました。脳出血という思いもかけない突然の別れに信じられない気持ちでした。献体したので、遺体が戻ってくるまで4~5年はかかると知らせがありました。私はそれまで生きていないわ……と笑いました。夫の選んだリビング・ウイルと献体の生き方に、私をはじめ若い人たちの中にも称賛の声があり、とてもうれしく感じました。別れは、つらく、寂しくて、悲しくて泣きました。けれど夫には大きな拍手、喝采を贈りました。
協会からのコメント
献体すれば4~5年は遺骨が戻ってこないことが多いです。そのリスクに耐えて、夫の意思を尊重してリビング・ウイルと献体の手続きを実行されたこと、真の強い信頼という愛を感じます。死はいつでも、ある日突然なのです。だからこその平時の備えなのでしょう。相手の意思を尊重し実行してくれる人がいて初めて自分の意思が達成されるということを教えてくれる「看取りのエピソード」です。ご主人にも、その意思をはたされた奥様にも「小さな灯台」は心からの拍手・喝采を贈ります。