人間としての尊厳は貫きたい

遺族アンケート

85歳母/看取った人・娘/東京都/2022年回答

母の死後「生にせよ、死にせよ、人間としての最低限の尊厳は貫きたい」とのメモが見つかった。延命措置については、一切望まないという母の意思は入会前から聞いていたものの、どこからが延命治療なのか、私には判断できなかった。最愛の母には、一日でも長く生きていてほしかった。私のわがままかもしれないが、もっとしてあげられることはなかったか、自責の念に苛まれている。自分の意思を貫いた母を尊敬している。末期のがんであることは本人には告知せず。「最期は自宅で」との本人の願い通り、自宅に連れて帰り看取った。大好きな家に帰り、母に笑顔が戻ったことが何よりの救いであった。

協会からのコメント

「一日でも長く生きてほしかった」という子どもの願い。親の「生にせよ、死にせよ、人間としての最低限の尊厳は貫きたい」という「意思を尊重する」ということはどうすることかをこの投稿は問いかけています。多くの人が揺れるテーマです。ありのままに「小さな灯台」は紹介しておきたいと思います。「自責の念」というのがどこからきて、どう対処していけばよいことなのか、折々に皆様に投げかけていきたい「看取りのエピソード」です。