夫の逝去後は友人との付き合いを大切に過ごす日々

遺族アンケート

88歳夫/看取った人・妻/山形県/2024年回答

入会は妻の私がきっかけです。今は85歳になりましたが、40代前半の時、子宮頸がんで手術、その後の再発の怖れが一番の理由でした。当時山形新聞で尊厳死協会を知りました。

そして主人共、尊厳死協会の仙台での講演会へ何度か行き、良い勉強ができ、生きる力となったことに感謝しています。

おかげさまで私は全治、普通の生活ができています。ただ、転ばないようにと、テレビやタブレットを見ては、毎日短時間でもストレッチ等を習慣にしています。

主人は8年ほど通院し、私はいつも一緒でした。病人の苦しみは病気にならない人にはわからないと身にしみて感じてきましたので、後で悔やむようなことがないよう、自分が言われて嫌なことは言わないようにと心がけました。

こんなことを書くのは変かもしれませんが、主人が亡くなり半年過ぎましたが、平安な日々に感謝です。

コロナ以来、人との会話も遠慮がち、電話のみ多くなっています。時間を気にしなくていいスマホはありがたいです。でも、友人の一人が施設入所となりましたが、1か月に1回、15分くらいの面会で直接話せる時間がうれしいです。

今日も息子の車で20分先の友人の施設に行きました。「迷惑でないですか」と言ったら、友人は大きな目になり「いやいやありがたい」と。私も笑顔で「じゃまた来るからね」と。去年12月中頃「夫婦で入所しました」とご主人様より電話をいただき、そして新年早々そのご主人様はお亡くなりになりました。娘さんに「誰にも知らせていないのにお父さんがあなたにだけ話したんですね」と。私も友人にはボランティア活動時には大変お世話になりましたので、この付き合いを大事にしたいです。

今日も「お互いに生きている間、良いことを思い出し、嫌なことは思い出さないように気楽に生きましょうね。自分苦しめるのは一番損だからね」と互いに納得。「また来るからね」と別れてきたのでした。

人生は一度きり、これからの日々は特に大切にして、朝はちょっとお化粧して少しでも自分で自分を元気づけられるように、まわりの方々へ感謝で過ごしたいと思うのみです。主人からも何度も感謝の言葉をもらいました。そしてリビング・ウイルの力に感謝です。

協会からのコメント

ご主人を亡くされた後の、ご自分の気持ち、人との交流のもち方の実際が伝わる「看取りのエピソード」としてご紹介します。

大切な人を亡くした後のグリーフ(悲嘆)の乗り越え方は、人それぞれです。【情報BOX】「グリーフケア-大切な人を亡くした哀しみを癒すために」も参考になさってください。

どれが正解とかお勧めとかではなく、こんな過ごし方もあるのかと、それぞれの参考にしていただけたら幸いです。多種多様な経験談が集まれば、「誰にでもあてはまるわけではないけれど、誰かの何かの事情にはぴったりくる」情報の集積が可能になると「小さな灯台」は期待しています。

これからも皆様のそれぞれの「大切な人を亡くされた後の乗り越え方」の経験談をいつでもお寄せください。お待ちしています。