吸引も酸素も望まない最期
遺族アンケート
93歳母/看取った人・娘/東京都/2024年回答
微熱で起き上がれない状態で母は救急搬送。入院に際し「母は尊厳死協会に入ってます」と伝えると、医師は延命について何をするか、すぐに理解してくださいました。
入院中に母はコロナになり、気力がなくなり、食事が全介助、寝たきりとなりました。
点滴だけのために入院はできない、転院(ホーム)か、自宅かとなった時、自宅に引き取る選択をしましたが、それにあたっては病院からの訪問診療、訪問介護、訪問リハビリをつけていただき、ケアマネジャーさんとの連絡も十分あり、家族の負担もずい分軽くなりました。母は要介護3から要介護5になっての帰宅後、半年余りで亡くなりました。
本人が苦しいのを助ける意味がないのであれば、痰の吸引や酸素吸入もしたくないと伝えると、看護師さんが「そういう考えで良いと思いますよ」と言ってくださったし、最期に来てくださった医師は「生ききったと思います。私の親もこのように送りたいです」と言ってくださいました。
最後の2か月ほどは、痰まじりのよだれで首から肩がべとべとになり、仕事から帰る度に嫌な気持ちになりましたし、そこから夕食を食べさせるのも戦いという感じでした。きれいごとでは済まない状況ではありましたが、「朝オムツを替えに部屋に入ったら 息がなかった」。4月のケアマネジャーさんの訪問で、そうなるのが本人にとって幸せかもと言っていましたが、そのとおりになりました。前日まで何とか食事をし、訪問リハビリを受けて、特に変わらぬ状況でした。しかし、暑さに弱く、夏は越えられないと思って、妹たちに見舞うように言ったのですが、それは間に合いませんでした。
協会からのコメント
要介護5の在宅介護による自然な看取りの様子がリアルに伝わる貴重な「看取りのエピソード」です。多くの人に知ってほしい在宅看取りの実際です。
自然な看取りへのケアの仕方も、現場のケア職の間でノウハウの伝達交流がなされています。それほど、個別的でひとりひとり特有のケアの仕方があります。
ただ、「痰まじりのよだれで首から肩がべとべとになり、仕事から帰る度に嫌な気持ちになりました」という様子が少し気になりました。
痰の吸引や酸素もしたくないときっぱり断るのも一つですが、医療行為としてではなく「気持ち悪いのをとってあげましょう」と口腔内にたまった痰や唾液だけを低圧で吸引して、食事をさせる戦いはせず食べなくても良いと、おっとりと構えるのも一つの方法です。
看取りの場所をホームか自宅か選択を迫られる場合が誰にでもあるのです。
その時に自宅(あるいは介護施設)に引き取るという選択の決心・決断をされた、その勇気を讃えたいと思います。
半年という在宅介護、看取りの道のりを良く乗り切り、代諾者としての役割を立派に果たされたことに心からの敬意を覚えます。くれぐれもご自愛ください。

