「口から食べる幸せ」と母の最期
遺族アンケート
85歳母/看取った人・娘/大阪府/2024年回答
母は圧迫骨折で入院し、軽い誤嚥性肺炎も見つかったため、その治療も並行して受けていました。
肺炎のほうがよくなったため、リハビリ専門の病院へ転院することになった矢先に母は病室(個室)でヨーグルトを誤嚥し、危篤状態に陥り亡くなりました。
治療の際、医師からどこまで延命措置を希望するか聞かれたため、母の希望を伝えていました。医師は元々もう助からないからと人工呼吸などを勧めることはありませんでした。母の希望を前もって聞いていたのはよかったと思います。ただ一番安全なはずの病院で、なぜ、急にこんな結果になってしまったのか納得のできない思いがあります。
協会からのコメント
高齢者医療の現場では、転倒や誤嚥の予防は最も重要な課題の一つです。医療者は日々さまざまな工夫を重ねていますが、それでも高齢者特有の転倒や誤嚥を完全に防ぐことは難しいのが現実です。
誤嚥性肺炎の既往がある場合には、ご本人もご家族も、「誤嚥はいつ起こってもおかしくない」という可能性について、あらかじめ理解し、心の準備をしておくことも大切です。
その一方で、「誤嚥を恐れて口から何も食べない」という選択もあれば、「誤嚥のリスクを理解したうえで、最期まで口から食べる喜びを大切にする」という選択もあります。どちらが正しいということではなく、ご本人がどのような最期を望まれるのかを、ご家族や医療者とともに考えていくことが大切ではないでしょうか。リビング・ウイルは、そのような「最期までどう生きるか」という意思を考え、伝えるための大切な手段でもあります。
突然の出来事に対して、「なぜ防げなかったのだろう」と自分を責めたり、深い悲しみや喪失感を抱いたりすることは、ごく自然な反応です。悲しみを無理に乗り越えようとせず、ご自身の気持ちと向き合いながら、少しずつ歩んでいくことが大切だと思います。
心よりご冥福をお祈りするとともに、ご家族のお心が少しずつ穏やかになられることを願っております。
詳しくは、以下の各記事もご参照ください。
【情報BOX】グリーフケア-大切な人を亡くした哀しみを癒すために(2022年8月31日)
【情報BOX】グリーフケアとピア・カウンセリングのすすめ(2026年2月18日)

