父は苦しみ、義母は安らかに逝った

遺族アンケート

90歳義母/看取った人・長男の妻/東京都/2025年回答

義母はリハビリ病院から緩和ケア病院に転院しました。緩和ケア病院は延命措置を行わない方針ですので、尊厳死協会のリビング・ウイルを自然に受け容れてくださいました。最後の3か月は義母は意識がほとんどなく、呼吸がふっと止まるような安らかな最期でした。

反対に20年程前に実家の父が病院で亡くなったときは、まだ延命措置が必ず行われる時代で、血圧を上げる薬が使われました。血圧が下がってくると、その薬を点滴に入れるのでまた持ち直しますが、父はとても苦しそうで、見ている私たちもつらく、また家族も長時間病院に詰めていたので心身共に疲れました。病院側に「これ以上、薬を使わないでほしい」とお願いしましたが、「一度使ったら途中でやめることはできない」と説明があり、つらい思いをしました。

父が入院していた病院も、皆さんとても親切で精一杯手を尽くしてくださいました。しかし、延命治療は本人にも周りにも酷なものだと思います。

延命治療というと、とても大変な治療を想像しますが、父のように血圧を上げる薬1種類であっても苦しみを長引かせることになりかねない、ということをもっと私たちが知っていなければならないと思いました。

協会からのコメント

お義母様の安らかなお見送りと、20年前のご実父様の時のつらいご経験。その対比から紡ぎ出された「血圧を上げる薬1種類であっても苦しみを長引かせることになりかねない」という実感のこもったお言葉は、終末期医療の現実を伝える非常に重要なメッセージとして、多くの読者の胸に深く響くはずです。(一度開始すると止めることができない医療処置は、いまだに存在します)

ご家族として二つの異なる看取りを経験された率直な思いをお寄せいただき、心より感謝申し上げます。