認知症の夫にガンが・・。

遺族アンケート

私がケガで入院となり、夫は認知症のため、同時に入院しました。それから一ヶ月後に夫のガンが見つかり、病院では「手術を」ということでしたがお断りしました。当時は私の事もわからない状態でしたので、カードを提示し手術はなくなり本当に助かりました。手術をしても認知症は治りません。感謝です。

協会からのコメント

 夫婦共に介護や療養が必要になった時、自分亡き後の伴侶への思いが伝わってきます。 認知症で夫が妻のことがわからなくなっている悲しさと、夫を亡くされた悲しさと、ともに切ないですね。重い決断に逃げることなく向き合われた奥様の潔い姿勢に感動しました。「リビング・ウイルカードの提示で手術をしないという決断」を理解してもらえて本当によかったと思います。
認知症だけでなく、病気で本人が意思を表現できなくなった段階を、誰もが迎える可能性があります。夫婦のどちらかが決断を下す時、それを医療者や家族関係者に理解していただく時、リビング・ウイルカードの用意は大きな有効手段であり、夫婦どちらかの気持ちの支えになりうるということを、多くの人に理解していただきたい“看取りのエピソード”です。