気持ちのやり場のない急死
遺族アンケート
1
退職後、病院通いすることもなく元気に過ごしておりました。当日も普段通り外出したのですが、途中の道で倒れ病院に運ばれて亡くなりました。CTで脳も心臓も診ていただきましたが異常なし、血液検査も特に異常がなく死亡診断ができないので、警察による検視が必要とされました。警察署の「死体検案書」には「急性心臓死疑い」と診断され、これをもって診断書が発行されました。
2
救急車が間に合わない急死でした。リビング・ウイルを活用する場面もなく……。一応病院までは参りましたが、既に亡くなっておりました。主人の異変に気付いた時には動転して、リビング・ウイルのことなど思い出しもせず、只々あらゆることをして生き返って欲しいと念じたことだけを思い出しています。周囲からは理想の逝き方と言われています。
協会からのコメント
ある日突然、道で倒れて帰らぬ人となられて検視という形になり、どんなにあっけなく空しいお気持ちでしょうか。
「ピンピンころり」という「急死」は最後に言葉を交わすことができず、思いの丈を伝えられず、切ない限りです。周囲の方は、残された方への配慮で「理想の逝き方」と言っているのでしょう。「不治かつ末期」ではない方へ「あらゆることをして生き返って欲しい」と思うのは当然のことです。
通院や治療歴のない方の急死は、本当にびっくりで残された方の大変さが伝わります。気持ちのやり場がなかったことでしょう。「人生には、こんなこともあるのだ」という事実をお伝えすることも「小さな灯台」の大切な役割だと思います。
これから、ゆっくりと、良かったことを思い出して悼まれる時と場を大切にされますように。
無念な気持ちを出せる場として、例えば、日本尊厳死協会でも各支部で会員・非会員を問わない語り会いのサロンを大事な活動の場にしています(現在コロナ対策で、その開催が滞っていますので、各支部にお問い合わせください)。その他の参考として、
・悲嘆回復ワークショップ(一般社団法人日本グリーフケア協会)
・グリーフサポートせたがや
等を検索なさってみてください。そして、そこのリンク先から紹介されている各種団体などを参考に。ただサイトを眺めるだけでもいいのです……。イザとなれば、いろいろなサポートのされ方、方法や場があるのだなということを知るだけでも気持ちの支えになるかもしれませんから。ご主人様のご冥福と奥様の平安を心からお祈りしております。