母の意思通りだと思っていたのですが、揺れるものがあったのでしょうか

遺族アンケート

90歳母/看取った人・娘/大阪府

尊厳死協会に母と共に入会して25年近くになります。普段あまり読まない「Living Will」の173号を読んだ母が「久しぶりに読んだけど……うーん……ちょっと考えさせられた」と申しました。「連休の間に私も読んでみるわ」と答えて忘れてしまっていました。母は1年以上癌で入退院を繰り返し、90歳近くでしたから、本人の意思で麻薬による緩和治療を選択しており、こちらも日々慌ただしく過ごしていましたので。その連休初日、急変し、亡くなりました。後日、読んだ貴誌の樋口恵子様の対談で母は思うところがあったのでしょうか。

母の意思通り、病院他、看護小規模多機能型施設で過ごせていたと思ったのですが、揺れるものがあったのでしょうか。答えてもらえない辛さです。自分の死とどう向きあうか。それは私自身の生き方を見つめ直すことであり、母を看取って感じたことでもあります。

公益財団法人 日本尊厳死協会のサイトより
「Living Will」173号

協会からのコメント

気持ちが揺れるのは当たり前。長い期間、いろいろな職種や著名な専門家たちの意見、さまざまな体験談を聴いて、経験して、だんだんにご自分の考えをまとめたり、選択決定していくことが大事なのですから。人は自分の置かれた環境や状態で考えが変わってもいいのです。「母は、著名な樋口さんの記事を読んで何か考えた」それもありです。娘さんが考えられたように「自分の死とどう向き合うか、それは私自身の生き方を見つめ直すこと」その通りだと思います。自分で考えたことを家族・周りの人に話してみて、意見を聞いたり頼んだり、お互いにサポートし合える豊かな人間関係を、地域や身近な友人との間に広げ、築いていけますように。お互いに努力していきましょう。