家族間で意見の対立も
遺族アンケート
89歳母/看取った人・息子/千葉県
リビング・ウイルを貫き通すのは本当に苦しかった。あらゆる病状の変化ごとに医師から「どうしますか?」と意思決定を迫られることになり、本当にこれでよいのかと迷ってしまうことが多かった。
実際、途中には家族間で意見が割れてしまい、深刻な対立があったりもし。母の死後はしばらくの間、心身ともに消耗することになった。
協会からのコメント
リビング・ウイル、その意思を託された人の苦悩が切実に表現されている「看取りのエピソード」です。病状の変化のたびに医師から決断を迫られる、つらく大変な経験をされましたね。
もし、リビング・ウイルについて医療者の理解が十分でなかったり、病状や今後起こり得る事態と考えられる対処方法の説明の仕方に配慮がなかったりしたとしたら、なおさらのこと。
その時の医療者と家族との対話のありようは、もっと検証されていかなくてはならない課題だと思います。リビング・ウイルの代諾者として、本人の希望に沿った、苦痛の少ない対処を懸命に考え、決断するのは、本当に大変なことだということを「小さな灯台」は繰り返し実例をあげて「見える化」していきたいと思います。
今はどうか「リビング・ウイルを貫き通す」役割を立派に果たした自分を褒めてください。【小さな灯台・情報BOX】「悲嘆の感情(グリーフ)」を参考に、ご自分を大切に、そしてゆっくりと癒されていかれますように。お母様のご冥福を共にお祈りしております。