「入院させないと窒息しますよ!」と言われ……
遺族アンケート
92歳父/看取った人・娘
前回、肺炎で入院(1か月ほど)した時は何とか回復することができました。退院してからは、次にまた肺炎になってももう入院はしないと言っていたし、私もそれを尊重したいと思いました。しかし、いざ肺炎に再びなった時に、訪問医から「入院させないと窒息しますよ!」と言われ、入院することになりました。その後は回復することもなくつらく苦しい日々を経て、亡くなりました。毎日、死にたいと言って、点滴の中止も申し出ましたが、もう少し治療しましょうと認められませんでした。点滴➡痰の吸引が続き、とても苦しそうで、入院したことを後悔しました。担当医とは別の方の訪問医は、看取りのベテランでもあり信頼していたのに、他にやり方がなかったのか? と残念な思いです。
協会からのコメント
尊厳死を希望し、協会に登録もし、子どもにも理解してもらっていたにも関わらず、それが達成できなかった「看取りのエピソード」のご紹介です。
訪問医の「窒息しますよ」は重い言葉です。リビング・ウイルを希望していることは知っていての発言だったのでしょうか。入院させないと自分が見殺しにしたように感じられたのでしょうか。入院し、最後まで苦しそうだったとは、悲しい気持ちになってしまいます。医療者は、何とか1日でも長く生きられるようにと考えて治療のみを続けていたのでしょう。本人が希望する、尊厳のある快適で苦痛のない状態を想像することができなかったのでしょうか。残された方は、本人の希望通りにならず、挫折感や悲しい気持ちになってしまいます。とても残念なことです。ぜひ【小さな灯台・情報BOX】の「悲嘆の感情(グリーフ)」を参考にしてください。「小さな灯台」も残念さを共有しつつ、今後の活動の糧にして参ります。投稿していただきありがとうございました。