具体的な治療に関する本人の希望がわからず……

遺族アンケート

80歳母/看取った人・息子/東京都/2021年回答

リビング・ウイルを持っていたが、終末期の治療で栄養補給の点滴を痛がって外してほしいとの希望があったが、外すと栄養補給ができなくなり衰弱死してしまうことから、外すことができず判断が難しかった。終末期の具体的な治療についての本人の希望がわかるものが必要と感じた。

協会からのコメント

死ぬことは衰弱していくこと。家族は、その衰弱していく姿を見ることが耐えられないという気持ちは自然なことです。だからこそ、医療者は自分の家族は治療・手術しないのが基本のルールになっているのですから。

痛い、苦痛を伴う日々であったとしても、それでも生きていてほしいと願う家族の希望は? 本当に妥当でしょうか? ご本人は、リビング・ウイルを持ち苦痛のない最期を希望していたのですから……。その希望をかなえるのが代託者(家族)の役割だという認識はもっと学び合っていきたいものです。

栄養補給の点滴を外すことで「死」に追いやるわけではなく、苦痛の無い穏やかな時間をつくる、と考えてはどうでしょう。