痛みが緩和されなかったことが残念です

80歳夫/看取った人・妻/千葉県/2021年回答

血管を広げるステント治療から始まり、脳梗塞大動脈弁狭窄症、肺炎、心不全、腎不全、そして前立腺ガン、骨転移ガンと入退院の7年間でした。80歳まで生きられて「年に不足はない」と夫。最後は苦しい痛みの中、水を飲むことも痛み止めの薬を飲む力もなくなっていく中で息を引き取りました。病院の先生、往診の先生には尊厳死協会の会員だと自分の口で伝えました。痛みはMAXだったと思います。モルヒネの注射により痛みが緩和されなかったことが残念です。だからといって、先生たちには恵まれていたと思います。

協会からのコメント

7年間の闘病生活、痛みとの闘いが一番つらい日々だったとお察しします。

この短い投稿からは、詳しい事情がわかりかねますが、もっと痛みのコントロールができていれば穏やかな時間が過ごせた気がします。残念な思いがぬぐえません。

病院の先生、往診の先生には恵まれていたと思っていても、苦しい痛みの中で夫が最期を迎えるのを看取るのは大変なことだったと思います。疼痛緩和の効果がもっと出ていたら、夫婦で目を見つめて感謝の気持ちを伝えて見送ることもできたでしょう。

 病院で亡くなっていた時代は、家族が悲惨な最期を見ることなく過ごせたというメリットがありました。今後、入院は短期。外来通院が主流。在宅で家族が看護し最期まで看取ることが求められるのであれば、もっと効果的な疼痛緩和が普及しなければならないと思います。「小さな灯台」は、この「看取りのエピソード」のご紹介とともに、終末期医療の疼痛緩和(ペインコントロール)の研究・普及促進を求め続けていきたいと思います。

頭で理解していても気持ちが苦しい、つらい、悲しみのただなかで、エピソードを送っていただき、本当にありがとうございました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。