【情報BOX】尊厳死を希望する人の代託者になるあなたへ- 親の“老い”と向き合う時に役立つ《老い知識》のすすめ No.2薬は5種類まで?

病気の数が増え、複数の医療機関を受診することで薬の種類も増え、10種類以上の薬を服用している高齢者も珍しくありません。そこで、大事になってくるのが【ポリファーマシー】という言葉です。

今回はその【ポリファーマシー】をテーマに取り上げます。

◎ポリファーマシーとは?
ポリファーマシーとは、多くの薬を服用しているために副作用を起こしたり、キチンと薬が飲めなくなったりしている状態をいいます。単に服用する薬の数が多いことではありません。なぜ、高齢者では副作用が起こりやすいのでしょうか?

◎薬による副作用
高齢になると、肝臓や腎臓の働きが弱くなり、薬を分解したり、体の外に排泄したりするのに時間がかかるようになります。そのため、薬が効きすぎてしまったり、効かなくなったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。

また、高齢者の場合は、副作用で調子が悪くなっても「副作用だと気付かない」ことがあります。それは、ふらつきやめまい、食欲の低下など、加齢による症状と区別がつきにくいからです。

適正な薬の数は5種類まで、と言われる専門家もいます。高齢者ならではのポリファーマシーという現象を知り、調子が悪くなった時には薬による体調不良の可能性もあると思っておきましょう。

◎薬の管理ができない
高齢者が毎日、朝・昼・晩、指示通りの服薬をするのはとても難しいことです。結果、医師は「この薬は効いていないのではないか」との誤解によって、薬を増やしたり、別の薬に変えたりすることもあり、治療に悪い影響を及ぼしてしまいます。

▶︎残薬

訪問看護先の家で、キッチンの引き出しなど、いつもの薬箱以外のところに、処方された薬がたくさん残っている(残薬)のを発見することがしばしばあります。

もし、家族や生活を共にしている人がいたら、そんな同居人にしかできないケア、サポートがあります。定期的に、さりげなく観察してくださることをおすすめしています。

あまりにも大量の残薬を見つけたら、とがめるのではなく、薬のことをどう理解しているのか? 何が不都合なのか? 薬をため込んでいる理由が何か他にあるのか? じっくり話を聞き出すチャンスにしてほしいものです。そして、日々の暮らしの中での様子をかかりつけ医やケアマネジャー・薬剤師、訪問看護師に、できるだけ具体的に相談してみましょう。生活習慣の差に合わせた、適切な処方につなげてくれる可能性もあります。

◎まとめ
「薬の数が多いかな?」「何か変だな」「いつもと違う」と感じたり、薬の自己管理ができていないと感じたら、かかりつけ医や薬剤師に相談するようにしましょう。

◎参考資料
1)秋下雅弘監修. 東京大学医学部附属病院老年病科編. 高齢者の患者学“治す医療”から“治し支える医療”へ. 株式会社アドスリー,2020

2)杉山孝博. イラストでわかる高齢者のからだと病気. 中央法規出版, 2013

3)大内尉義監修. 東京大学医学部附属病院老年病科編. やさしい高齢者の健康教室.医療ジャーナル, 2013

4)秋下雅弘. 薬は5種類まで-中高年の賢い薬の飲み方. PHP研究所, 20145)秋下雅弘/厚生労働省監修. 一般社団法人くすりの適正使用協議会/日本製薬工業協会制作. あなたのくすりいくつ飲んでいますか?(パンフレット). 2022