弁護士・渥美雅子様より、小さな灯台に寄せてメッセージをいただきました

私は既にハートライフカード(自然尊厳宣言証)というのを持っている。いざという時延命治療をしてくれるな、という趣旨のカードだ。10年前に作った。どこでどういう死に方をするかわからないので、いつも財布の中に入れて持ち歩いている。

ただ、本当に死が目の前に迫った時、冷静にそれを受け入れられるかどうかは正直自信がない。

この「小さな灯台」プロジェクトリーダーの近藤さんが書かれた「看とりのグリーフケア」という本は、死にゆく人を看取る立場から、死を生物なら当然のこととして受け止めるにはどうすればいいかが、ありとあらゆる方向から具体的に検索して書かれている。だが、単なる死に方のノウハウ本ではない。また、死に関する哲学書でもない。死を日常的なこととして受け止めながら、これまで経験したことのない、一つの冒険として挑戦してみる、そんな感じの本だ。

読んでいて私も「死んでみたく」なった。だが看取る側の人はそんなのんきなことはいっていられない。とりわけお医者さん、看護師さん、介護士さん等はそこに仕事の生命がかかっている。

その仕事の詰まっている知恵袋を近藤さんは「小さな灯台」と呼ぶ。

いつか灯台の光に照らされながら黄泉の国に旅立てたらどんなに素敵だろう。



渥美雅子法律事務所 弁護士
NPO法人高齢社会をよくする女性の会監事
渥美雅子