東京大学大学院医学研究科家族看護学分野教授様より、小さな灯台に寄せてメッセージをいただきました

「小さな灯台プロジェクト」の1周年おめでとうございます。

「小さな」とは呼べないくらい、多くの方がこの活動に勇気づけられ、慰められ、また自分の体験もほかの方に役に立つのではという志で体験を共有していかれる様子を拝見し、人と人とのつながりに感じ入っております。

年末に少し時間ができたところで、久しぶりにレコードプレーヤーで父からもらったリストのソナタを聞きながら、3年前に旅立っていった父を思い出しながらこの文章を書いております。生きていることの延長にある死、それは終わりではなく新しい関係の始まりだと思えるのは、父とはたくさんの思い出があること、父の人となりを尊敬し、どのような生き方をしたいか、話し合っていたからこそだと思います。もちろん、未体験の「死」ですから、怖いです。人間がコントロールできることの限界を知り、そのうえで死の準備をすることは本当に大切なことだと思います。「小さな灯台プロジェクト」では、体験された方の思いをそのまま優しく受け止めること、正解探しではなく、読み手にそのまま感じることを勧めている活動であることが素晴らしいと私は思うのです。

多くの方が最期まで自分らしく生き、ご家族が満足したお見送りができることを願っています。



東京大学大学院医学研究科家族看護学分野教授
看護師・保健師・臨床心理士
池田真理