子どもたちには「よろしく」と頼んであります
遺族アンケート
87歳夫/看取った人・妻/神奈川県/2021年回答
医師からは初めから治療はしないと言われましたので、リビング・ウイルのことを告げることもありませんでした。起き上がることができなくなり、また、足腰が痛いということで入院しましたので、初期は整形外科と判断され、リハビリをするといっておりました。しかし、検査結果は肺がん、ステージ4、腰骨副甲状腺に転移あり、8月1日の入院から点滴のみ、わずかな食欲も月半ばからおとろえ、口から入らなくなりました。9月3日転院(老人病院?)の予定でしたが、その日に容体悪化。点滴、酸素呼吸のみで9月6日、苦しみもなく永眠致しました。
私事ですが、数年前、旅行のお仲間に尊厳死協会の話をしたら、その方も入会したと聞きましたが、会員の増加があまりないのは宣伝が足りないのではと思いますがいかがでしょうか。長い間お世話になっており、ありがとうございます。私はまだ会員でおりますので、よろしくお願い申し上げます。
子どもたちには「よろしく」と頼んであります。
協会からのコメント
「天寿がん」というのは、まだ俗称なのでしょうか? 高齢期になって見つかるがんはむしろ苦痛なく「天寿」を全うするのに恵みの病だとよく聞きます。つまり、進行も遅く、痛みも少なく、ある程度亡くなる経過がわかりやすいので、いろいろな準備もしやすいと。なので、あえて治療せず自然の成り行きを見守る方針を立てる医師も少なくないとうかがっています。もちろん個人差、病態差が大きいはずですが……。
リビング・ウイル受容協力医師との出会いがあれば、きっと「天寿」を全うする穏やかな治療方針を立てていただけることでしょう。尊厳死協会の会員であるというお気持ちも「穏やかな看取り」につながったことでしょう。
こんな自然で何気ない「看取りのエピソード」こそ、「小さな灯台」の目指す看取りです。
「看取りのエピソード」としての投稿。そしてご友人、ご家族への「体験談の語り」が何よりの協会の宣伝になります。今年から協会としても、さらに広報宣伝に力を入れてまいりますので、今後ともサポートをよろしくお願い致します。