簡単に割り切れないところに難しさがある

遺族アンケート

92歳母/看取った人・息子/東京都/2021年回答

リビング・ウイル制度により、家族の判断にあまり迷いが生じなかったように思う。ただし高齢者施設より、緊急で入院した先の医師からの「尊厳死協会に入会しているのに点滴を続けるのですか」との指摘については、心の準備がなく動揺した場面もあった。

制度としては今後も必要であると思う。が、簡単に割り切れないところに難しさがある。

協会からのコメント

92歳で高齢者施設に入所中なのであれば、最期を病院へ救急搬送することなく、施設での看取り体制があればもっと良かったように思います。

病院の医師も、尊厳死を希望していることへの尊重の姿勢を、言葉と態度で表現したうえで「点滴も希望されますか?」と、ワンクッション家族の気持ちを受け容れた応答の仕方があればと残念です。

リビング・ウイルがあれば全て解決、何も考えなくて良いというのではなく、「死に至るプロセス」には呼吸・飲み込み・点滴などの栄養は? など、次々と課題に直面していきます。その時々に代託者(本人の意思を代弁してくださる人)に指定された人の苦悩はついて回ります。全てのものごとに心準備できるわけはありません。心の準備がなく動揺してしまうのが人情です。

でも、その揺れを経験しながら選択し決断されて、立派に看取りを果たされたことを誇りに思いましょう。看取りを果たすというのはそれほど価値ある仕事です。「小さな灯台」は、皆様の経験を次の人の参考にしていただけるように「繋ぎ役」を果たしていきたいと思います。医師は医療の専門家、私たち代託者(指定された家族または友人・知人)は患者の専門家と思えるように知見を深めてまいりましょう。