介護保険による介護体制のもと穏やかな最期を迎えました

遺族アンケート

87歳夫/看取った人・妻/東京都/2022年回答

2020年12月より、介護保険による介護体制で自宅介護を受けていましたが、亡くなる3か月前に心不全のため緊急入院しました。コロナ禍のため、面会禁止の入院生活を嫌い、帰宅の希望が強く、今後の回復は望めないという担当医師の意見もあり、終末を自宅で迎えることにしました。

入院前の介護体制を復活させて、担当の方々には「苦痛を除く以外の処置は望んでおらず、尊厳死を希望」の旨も伝えました。退院2か月後、恐れていた苦痛も認知機能の低下もなく、亡くなる10日前まで趣味の俳句を楽しんで最後を穏やかに迎えることができました。貴会の存在が精神的な支えになっていたと思います。ありがとうございました。

協会からのコメント

「介護保険による在宅介護体制」というものがどういうものか、初めて聞く方々には想像がつかないかもしれません。在宅介護体制は、訪問医師・訪問看護師・訪問薬剤師・介護ヘルパー・通所や訪問の理学療法士などたくさんの職種によるサービスを、ケアマネジャーの采配のもと組み立てます。介護サービスを利用することで、本人もご家族も暮らしのリズムが整い、病状も安定して穏やかな時間を過ごすことが可能です。もともと在宅介護体制があったので退院・在宅介護にスムーズに移行することができたのでしょう。でなければ、コロナ禍で新規に在宅介護を導入するのは困難だったかもしれません。苦痛も認知機能の低下もなく趣味の俳句を楽しむことができ、穏やかに最期を迎えられたのは何よりのことです。

地域包括ケア・在宅介護体制の目標こそが、おひとりおひとりの「尊厳死」をかなえるためのものであることを知っていただける「看取りのエピソード」です。
地域包括ケアシステムについては【情報BOX】在宅介護を支える「地域包括ケアシステム」とは?をご参照ください。