延命治療を回避した結果起きた誤嚥は家族としても納得づく
遺族アンケート
92歳父/看取った人・息子/大阪府/2022年回答
あらかじめ本人の意志が文書で明示されていたことで、治療方針を医師と打ち合わせする際に迷うことがなかった。本人が拒否の意志を示していた経鼻点滴(栄養)や胃ろうなど、積極的な延命治療を回避した結果、体力が低下し結果的に誤嚥を起こしたと思われるが、家族としてもある程度は納得づくであった。生前の意志表示が残されることは、家族にとっていかに重要か身をもって教えられたと感じている。ありがとうございました。
協会からのコメント
「本人の意思が文書で明示されている」「受けたくない医療がわかるようにしてある」「体力低下に伴う誤嚥は納得づくである」「看取られる方と看取る家族の間で共通の認識・理解があることで医療者に迷うことなく治療方針を伝えられた」……誰にとっても達成感と満足感のある「生前の意思表示」の重要性を伝える「看取りのエピソード」です。
たとえリビング・ウイルを文書で残されていても、医療者・ケア職者に受け容れ体制があっても、家族がどう受け止め、向き合うのか? その違いのひとつひとつをありのままにご紹介するのが「小さな灯台」のスタンスであり矜持です。何が正解でどれが不正解か、誰にも決められないこと。その時々の当事者の多様な受け止め方を知ることで、おひとりおひとりの回答が引き出されていきますように。
貴重な体験をご紹介いただきありがとうございます。ご冥福を心よりお祈りしています。