リビング・ウイルのことを知らない人が多い
遺族アンケート
89歳夫/看取った人・妻/福岡県/2022年回答
リビング・ウイルのことを知らない人が多いです。私の友達等80歳過ぎているのでよく話しています。友達からリビング・ウイルの話を聞いて、友達も夫婦で入っているとのことで、私たち夫婦も普段から「もしもの時はつらい治療はやめようね」と話し合っていましたので、このことは子どもたちにも話して了解を得ていました。難病だとわかってから先生にカードを見せて「本人のつらい治療はやめてください」とお願いしたら、「本人も89歳まで生きたのだから」と了解してくれました。最後は眠るように苦しまずに亡くなりました。本当にありがとうございました。
協会からのコメント
日本は自然災害の多い国。大正から平成にかけては関東大震災、阪神淡路大震災、東日本大震災など大きな災害を数多く経験しました。そして令和のコロナ禍を経て、人は突然にあっけなく死んでしまうことがあるということを多くの人が知り、家族の行く末を考えたことと思います。圧倒的な自然の力の前に、人間の意思は及ばないという思い。「自然の成り行きに身を任せ、できることならピンピンころりで……」というお年寄りの希望も良く話題になります。
そのせいでしょうか? まるで抗えない自然災害かのように「病気の治療はお医者様が決めること。お医者様のおっしゃるとおり、物を申すなんてとんでもない」という潜在意識が私たち日本人にはまだまだ根強いように思います。
病気の治療は自然災害とは違います。特に終末期における治療と人生の選択は「医者任せ」ではなくなってきています。
そんな時代の変化、医・科学の変化について、尊厳死協会は、北は北海道から南は九州 沖縄まで、8支部が中心となって、リビング・ウイル講演会、サロン交流会、もしバナゲーム体験会等等、地道な啓発活動をすでに40年以上も続けています。尊厳死協会の会員になると会報にて各地での開催情報をお届けしています。
まず、入会してみて、会報や交流サロン等をとおして、「新しいものの考え方・新しい人生の生き方選択」があることを知ってみましょう。繰り返し、見たり、聞いたりしてご自分とご家族の「生き方選択」や「特に病名に関係なく誰もが経験する終末期医療の選択」について、自ら考えてみる指針にしていただけたらと願っています。