死への恐怖との闘いでつらそうでした

遺族アンケート

89歳母/看取った人・娘/東京都/2022年回答

認知症がひどくなって、認知症対応の病院で入院して半年ほどで亡くなりました。コロナ禍であったため、入院時と重くなる直前に面会したぐらいでした。先生は母の意志を理解してくださっていたと思います。入院してからの治療の確認の際も、私が「自然な形で積極的な処置はしなくて良いです」とお話ししたことに従っていただいたと思います。

協会の会員であったことは、家族や医師の判断をしやすくしてくれたと思います。母の場合、死はとても恐怖で、かつ、認知症との闘いで、かなりつらそうでした。そういう意味では、自然な形で死を迎えられたらいいと思っていたので、私は尊厳死の会に入っていてくれて良かったと思っています。ありがとうございました。

協会からのコメント

「高齢者5人に1人が認知症」になる時代を迎えています。

2023年10月3日の「NHK NEWSおはよう日本」で喫緊の課題である認知症の特集が放送されました。

その中で専門家が注目している自治体として東京都八王子市が紹介されました。「当事者ではない人たちを含めて地域住民全体の理解が重要」だと、地域包括支援センター+デイサービス+小学校+図書館+スーパー等の商店街を含めた認知症に優しいまちづくりに取り組んでいる事例です。

日本認知症本人ワーキンググループの藤田和子代表理事も「誰が認知症になっても受け容れられる暮らしやすいまちづくりを、認知症の本人と一緒に進めていってほしい」と語っていました。

地域・まち全体の認知症の人への理解とともに、「自然な形で死を迎えられたらいいと思う」という本人とご家族の意思は、それこそ「意思表明」されなければ実現しにくいことなのだという認識も「まちづくり」活動の中に浸透していきますように。

それぞれの地域での支部活動やサロンでの語り合いの中で紹介してほしい「看取りのエピソード」です。会員の皆様のご協力をどうぞよろしくお願いいたします。