気管切開は延命か、家族で悩みました。

遺族アンケート

母は心臓の手術の成功3日後、誤嚥性肺炎から容態が急変しました。意識不明でかけつけたときには人工呼吸器を挿管していました。3週間程して医師から気管切開を勧められた頃、尊厳死のことを思い出しました。しかし、気管切開が延命にあたるのか宣言書に詳細はなく、医師からは「まだ死に迫った状態ではない」とも告げられ、気管切開するか家族でどんどん悩みました。亡くなる前日、気管切開しないまでも人工呼吸器のチューブを交換しようと医師と話していたところ容態急変。そのまま帰らぬ人となりました。結局、母は自ら人工呼吸器ももういらない、と断ったように思います。父が亡くなる1年前に両親とも尊厳死協会に入ったことは、以前より聞かされていました。母の日記を見返したところ、娘である私に迷惑をかけたくないと何度も書いていました。尊厳死は最期まで母らしい生き方を貫かせたのだと思います。今、私も家族も元の生活に戻り、仕事も続けられています。これも母のおかげ、そして両親に感謝しております。

協会からのコメント

心臓手術成功から予期せぬ人工呼吸器装着という事態の中で、ご家族が悩まれたことは想像に難くありません。ご両親のリビング・ウイルの意思を知っていたことが、お母様の死を受けとめる重要な要素になっていたと考えます。
貴重な投稿をいただきありがとうございました。100歳の覚悟を私たちがひろく受け止めることができますよう。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。