リビング・ウイルは何もしないこと?

遺族アンケート

胃癌が見つかった時には手のほどこしようがなく対症療法が主でした。苦痛緩和が中心で、診断から1ヶ月で亡くなったので、リビング・ウイルについて伝えることはしませんでした。母が大切にしたいことを話せる良いツールではありました。ただ、リビング・ウイルとは何もしないことと母はとらえており、治療ができる場合でも「何もしない」と言ったことがあり、この点をすり合わせることに苦労したことがありました。

協会からのコメント

お母様とリビング・ウイルの理念を共有する為に苦労されたことは、この度の緩和医療を受け容れる素地になったことと思います。たとえリビング・ウイルを医療者に伝えられなかったとしても、リビング・ウイルがお母様と大切なことを話し合うツールとして活用できてよかったと思います。ご高齢での末期の癌では、無理な治療はしない方が、自然に天寿を全うできると考える医師も少なくありません。結果的に良いめぐりあわせだったのではないでしょうか。