検査入院中の急変、予期せぬ最期
遺族アンケート
82歳父/看取った人・娘/兵庫県/2022年回答
両親より常々入会のことは聞いておりましたので、必要な時が来たならば、リビング・ウイルを伝えて、と考えておりましたが、この度は、検査入院のための入院でしたので、お伝えすることもできずでした。入院日の翌日の朝に朝食後に病室で倒れ、そのまま意識消失・心停止となり、その後エクモ、カウンターショック、挿管等の処置となりました。父に面会できましたのは、朝連絡をいただいてから15時頃に会えたので、その時点では、たくさんの管と、膨れ上がった体と顔に、声を失いました。きっと一番父が望んでいなかった姿だと思いました。ですが、父は、病室での急変となり、蘇生する以外の選択肢は難しかったと思います。その日の17時前には他界しました。私自身、どうすればよかったのか……と自問自答もいたしましたが、入院時にお伝えする方がよかったのか……。ですが、父の苦しみは、一瞬だったと思うので、長期にならず、真意はわかりませんが本望だったと思いたいです。
リビング・ウイルがあることで、私たち子どもには安心感もありましたし、良かったと思います。父が入会しましたのは、父の姉が胃ろうを造設し、父自身が決定したことへの後悔や苦労があったためかと思います。母が健在ですので、母の意思は尊重していきたいと思っております。
協会からのコメント
「両親より常々入会のことは聞いておりましたので」と「リビング・ウイルがある」ことをご家族が理解・認識されていたことが、突然の変化を受け入れやすくしていると思える「看取りのエピソード」です。
検査入院中の突然死は、医療者の予想外の出来事で全力を挙げて救命するのが一般的です。一番ご本人が驚いたでしょうが、医療者も驚いたと思います。命の現場は予期せぬことが起こり得ること。全く予定は未定。突然の出来事ということもあり得るのだと……。
リビング・ウイルを聞いていても、目的以外の出来事が起こり命に関わるとなったら医療の現場ではできる限りの手を尽くすものです。ご家族がそうしたことを理解され「父の苦しみは一瞬」「長期にならず本望だった」と思い至ってくださったことに安堵しました。
お父様のご冥福とご家族の健康を心よりお祈りしております。