想像以上にホスピスに入るのは難しい

遺族アンケート

86歳義母/看取った人・嫁/2022年回答

母は亡くなる間際まで自分がどのように亡くなりたいかを明確にし(苦しみを取り除いてほしい、延命はしてほしくない)、伝えることができましたので、リビング・ウイルに入会していたことを忘れておりました。そうではありますが、母にとってリビング・ウイルはよりどころだったのではないかと感じています。また想像以上にホスピスに入ることは難しい(ベッドが少ない、期間が短い)と知りました。もっと増えてほしいです。

協会からのコメント

「尊厳死」をかなえるためには、尊厳死を受容してくださる医師(リビング・ウイル受容協力医師)との出会いも大切ですが、「想像以上にホスピスに入ることは難しい(ベッドが少ない、期間が短い)と知りました」という「気づき」も重要なことです。

ちなみに、特定非営利活動法人「日本ホスピス緩和ケア協会」によれば、2022年時点で緩和ケア病棟届出施設数は466施設、病床数は9625床となっています。最も少ない山梨県では1施設・病床数15床、最も多い福岡県でも36施設・714床ですので「ホスピスに入るには難しい」というのもうなずけます。

ホスピス緩和ケアを受けられる場所は、同協会のサイトで調べることができます。https://www.hpcj.org/uses/index.html

ここでは以下の3つを探すことができます。

  1. 「ホスピス緩和ケア病棟」(=ホスピス緩和ケアを専門的に提供する病棟)
  2. 緩和ケアチーム」(=緩和ケアを専門とする医師・看護師・薬剤師等で構成されるチームが、一般病棟に入院の方で緩和ケアが必要な方に専門的なケアを提供するもの)
  3. 「在宅ホスピス緩和ケア」(=ホスピス緩和ケア病棟に入院するのではなく、医師や訪問看護師などが自宅に訪問し、患者さんの苦痛症状を和らげたり、精神的支援や環境の整備を行うもの)」

多くの人は、1の「ホスピス緩和ケア病棟」のような場所をホスピスと思っていらっしゃいますが、ホスピスは本来ケアの概念を指す言葉ですので、一般病棟にいても、家にいてもホスピスケアを受けることは可能です。今後はむしろ家で療養しながらホスピスケアを受ける方向にシフトしていくのではないかと思われます。

会員の皆様の「気づき」を大切に、これからの「動き」を注目していきましょう。