家族の連携で納得できる看取りを実現

遺族アンケート

95歳義母/看取った人・嫁/宮崎県/2022年回答

嫁としては、義母が尊厳死協会に入っていると話してくれたことで、義母の意志を早い段階で知り、深刻に考えなくていいのだと思いました。2003年義父が亡くなった。2、3年後から義母の様子がおかしいのに義姉が気付き、毎日のように通い寄り添っていました。義父の術後の緩和ケアと看取りをしてくださった先生とのご縁で、義母も先生の心療内科に通うようになり、デイサービスにも通い始めました。その頃から私も飛行機で毎月通い、義姉と二人三脚の介護がスタート。股関節の手術後は私と自宅で過ごすか、義姉の家で過ごし一人になることはなかったです。愛犬の散歩もできていました。

2018年肺炎で入院した後は、訪問看護師の助けも借り、家族の精神的な支えになりました。退職した長男(夫)も介護に加わり、賑やかで義母も喜んでいました。怪我と入院以外は元気で、週3日のデイサービスも皆勤賞でした。昨年12月、圧迫骨折で2か月入院後は車椅子生活だったので、施設に入所。骨折入院から食への意欲がなくなり、食べてもらうのに苦労しましたが、リハビリの歩く練習も頑張り、元気な姿をガラス越し面会で見せてくれていました。「口から食べられなくなった時が寿命よね」と、日常の会話の中で話していました。

亡くなった当日は、施設の方が義母の部屋への入室を許可してくださり、義姉と私は義母と話すことができました(長男はたまたま自宅に帰っていてかないませんでした)。酸素チューブをしていましたが、普通に話していました。帰り際「ありがとうね、気をつけてね」「また来るね」最後の会話になりました。その夜急変し、そんなに苦しむこともなく息を引き取ったらしいです。とても急で驚いたけれど「苦しまず大往生だったね」と家族で納得しました。

協会からのコメント

「尊厳死協会に入会している」「口から食べられなくなった時が寿命」と「死」に向かう心構えを伝えていたことが、家族にとって「苦しまずに大往生だったね」と納得できる大きな要因だったと思います。遠距離の介護、義姉との連携、リハビリで頑張る様子、面会に感謝し気遣いのある言葉などから、お互いを尊重し大切に想い合っていた様子が想像できます。見送った方が、後悔せず納得できたことが、とても良いことと思います。本当にお疲れ様でした。くれぐれもご自愛ください。