救急搬送中に気管切開をしない選択を

遺族アンケート

83歳母/看取った人・娘/東京都/2022年回答

母が胸が苦しいと訴え始めてから、すぐに救急搬送されましたが、心臓はすぐに止まってしまいました。救急隊員の方から、気管切開をするかどうかの選択を迫られましたが、リビング・ウイルの話をすることができたので、母が望んでいなかった管にたくさん繋がれた状態になることは避けられたのではないかと思っています。

ただ、医師の方は、がん患者でもない母が尊厳死協会の会員になっていたことを不思議がっておられました。何が正解か今もわかりませんが、母が会員になっていたことが母の意思であり、母の意思通りの死に方ができたのではないかと思います。ありがとうございました。

協会からのコメント

「がん患者でもない母が尊厳死協会の会員になっていたことを不思議がっておられました」という言葉に、まだまだリビング・ウイルの啓発活動の必要を思い知らされます。

もしリビング・ウイルを伝えていなかったら、救急隊員が心臓マッサージや強心剤の使用、電気ショックや気管切開等一連の行為がなされたのかもしれません。それにより心拍が再開する可能性があったかもしれないし、心臓マッサージで肋骨が折れ皮下出血だらけになっていたかもしれません。

気管切開することなく「母の意思通りの死に方ができた」のは、とても良かったと思います。正解のない世界だからこそ、希望をかなえたご家族の勇気を認め、讃え、労いたいと思います。

くれぐれもご自愛ください。