入会のおかげで迷うことなく決断

遺族アンケート

94歳父/看取った人・娘/広島県/2022年回答

約18年前、両親共、尊厳死協会に入会させていただきました。母は持病を抱えていたこともあり、常日頃から「延命措置はしないでほしい」と私にも言っていましたし、入会前はその旨を紙に書いてお財布に入れて持ち歩いていました。母は病院で亡くなりましたので、担当の先生に、宣言書をお見せして「自然に任せましょう」ということになりました。

父の場合は、最後は自宅で亡くなりましたので、在宅訪問医や訪問看護師の方に口頭でお伝えしました。母の時は16年前ということもあり、宣言をお見せすると「こういうのがあるのですね。僕ももっと勉強しなくては。逆に本人を苦しめることになりかねませんからね」というお答えでした。

両親の死を通して私が感じたのは、もし尊厳死協会に入会させていただいていなかったら、もし常日頃から「延命措置は絶対しないで」という言葉を聞いていなかったら、私は最期迷うことなく決断できなかったのではないかということです。

何もせず、ただ死を待つだけというのは、やはりつらいものですし、何か見捨てたような冷たい仕打ちのような気がしたり、少しでも長く生きていてほしいという思いが捨てきれなかったりで、亡くなる時もまた亡くなった後も、これで良かったのだろうかといつまでも悩んだのではないかと思います

尊厳死協会に入会させていただいて、また常日頃から、そういう話を聞いていましたので、私自身も「父母が痛みがあるなら、それは痛みを取る治療だけ最大限にしてほしいけれど、あとは(延命措置)しないでほしい」と迷わずお答えできたし、今もそれで良かったと思っています。

私も子どもたちに「もしもの時は延命治療はしないで」と伝えておかなければと改めて思いました。長い間、大変お世話になりました。ありがとうございました。

協会からのコメント

リビング・ウイルを事前に家族で話題にするだけでなく、尊厳死協会に入会するという行動をもって示すことで、ご家族の迷いや選択・決心したあとの気持ちの支えになることが、リアルに伝わってきます。

多くの人々に、リビング・ウイルという意思表明をすることの意味を理解し、納得につなげてほしい「看取りのエピソード」です。ご冥福を共にお祈りしております。