患者ファーストな向き合い方

遺族アンケート

101歳母/看取った人・息子/東京都/2022年回答

・最後の11年間の老人ホームの暮らしでは、かかりつけ医に延命についての本人の要望を十分に理解していただけました。看護師もケアマネジャーも、苦しみなく枯れるようにして逝くのが自然であることを体得していました。本人が欲しがらない栄養・水分は与えず安らかな最期でした。

・何回か入院しましたが、この5年くらいは、カードを見せて延命治療を望まないという話もよく聞いてもらえるようになりました。病院の医師の向き合い方も、患者尊重(患者ファースト)だったと思います。

・尊厳死協会に望むこと……定点観測するように(1年に1回とか)、会員の治療や看取りへの考えの移り変わりと、それに合わせた協会への要望事項のアンケートを行って(一部の会員に)、結果を会報にのせて意思疎通を図られると、いきいきした活動になるように思います。

協会からのコメント

リビング・ウイルの意思表明のもと、本人・家族、医療者、介護者の皆様が「死」に向かう過程をよく理解し、同じ方向を向いていたからこその納得の「看取りのエピソード」です。

人生の最終段階における「自己決定権に基づく医療選択の権利」が保障され、尊厳が損なわれることなく生を全うできる社会の実現をめざして1976年に尊厳死協会が設立されてから、今年で創立48年です。確かに、その長い歩みの中で、尊厳死、リビング・ウイルに関する社会の認知度、認識にも変化があったことは、関係者一同が認識しているところです。

そのため協会はリビング・ウイルの改訂を重ね「私の希望表明書」も作りました。今後も会員の皆様からのご提案に真摯に向き合い、より良い活動ができるよう努力を惜しまないつもりでおります。貴重なご提案を誠にありがとうございました。