無理に食べさせることなく

遺族アンケート

98歳母/看取った人・娘/東京都/2022年回答

施設入所時にカードを提示し、医師にも伝えました(入所は1年10か月でした)。4月22日成城ホールでの杉浦先生の講演(注)を拝聴し、母の希望にかなった死を迎えさせたいと強く思いました。夏の暑さもあり、食事も2~3日食べず、を繰り返しましたが、無理に食べさせることなく(母の好物を口元に持っていっても口を開くこともなかった)看取りになって3日で亡くなりました(29㎏の体重になっていました)。亡くなる前日、食堂に車椅子で参加した際に撮った、次の日亡くなるとは思えない表情の写真に家族一同がビックリいたしました。

コロナ禍で1日15分2名の面会となり、4名だけが会うことができましたが、最後の別れは母が可愛がっていたひ孫と長女で、ひ孫の「ひいばあちゃん」との呼び声に目を開け、大きくひと息をして苦しむことなく事切れました。孫の結婚式の時に着た服を着せて送りました。あっけない別れでしたが、母の希望通りに自然に亡くなることができ、家族皆喜んでおります。苦しまず亡くなれたことで自分たちもそうありたいと思いました。協会の皆様にはいろいろとありがとうございました。

編集部注:
尊厳死協会関東甲信越支部の講演会。副支部長であり、リビング・ウイル受容協力医師でもある杉浦敏之先生が「現代医療のなかで安らかに旅立つには」というテーマで、在宅医の視点から症例を交えながらご講演くださいました。

協会からのコメント

「口から食べられなくなったら、もう食べなくていいよ。自然に還ることであり、木が朽ちていく時に、水を与えても栄養を与えても蘇ることがないように限りがある。それは年齢に関係なくその人に与えられた寿命が決まっている気がする」というのは、看取り経験を重ねている看護師たちの感想です。痛みなく旅立ちたいというのは万人が希望することです。

「母の希望通りに自然に亡くなること」、それを上手に実現できたのは、ご本人と家族にリビング・ウイルを理解しあう絆があったからだと思います。

可愛がっていたひ孫にも会えて安心して旅立たれたことと思います。ご冥福を心よりお祈りしております。