口から食べたり飲んだりできなくなっても点滴はしない
遺族アンケート
95歳母/看取った人・娘/神奈川県/2022年回答
母はグループホームの自室で老衰で亡くなりました。今年になってから母の看取りについて、ホームのスタッフやナース・ドクター・私たち家族で2度ほどミーティングをしました。その前から母は「尊厳死協会に入っている」と、折にふれてホーム側には伝えていましたが、ホームがそれをどこまで理解していたのかはわかりません。6月にドクターからは(母だけでなく)「口から食べられなく、飲めなくなっても点滴はしない方針です」と伝えられました。
母は亡くなる数日前まで流動食を口から食べていました。亡くなる数時間前に、私がスポンジ状のスプーンでお水を何度か口の中に含ませてあげましたが、最後にそんな2人だけのひと時を母と過ごせて良かったと思っています。母の穏やかな亡くなり方が幸いしましたが、世の中が延命第一ではなく「死」をより自然な形で受け入れる流れになりつつあると感じました。
とはいっても、本人の意思を確かめようもないまま、家族の考えで胃ろうにされたり、点滴をはじめたりするケースも多いことと思います。「自分の最期はこうしたい」という、はっきりした意思をあらかじめ家族に伝えておくことは、ますます重要だと思っています。
協会からのコメント
「『自分の最期はこうしたい』という、はっきりした意思をあらかじめ家族に伝えておくことはますます重要」と実感をもって投稿していただけたこと、大変ありがたいことです。
人が口から食べられなくなり、水が飲めなくなった時、それは「できなくなったのではなく、必要がない」ということ……その自然な時間の流れを受け容れられるご家族が増えることを「小さな灯台」も願っています。
貴重なご意見をいただきありがとうございました。