先手を打って痛みを抑えてくれたおかげで苦しむことなく……
【遺族アンケート】
70歳夫/看取った人・妻/埼玉県/2023年回答
大学病院での抗がん剤治療の効果がなくなった時点で在宅医療に切り替えました。
初診時に尊厳死協会の会員である旨をお伝えし、深い理解を得られた感触がありました。訪問医療の際には先生、スタッフの皆様から、大学病院では考えられないような丁寧な問診、触診、検査、投薬をしていただき、本人が安心感に満たされた毎日でした。
先手先手で痛みを抑えることに心を砕いていただいたおかげで、希望通り少しも苦しむことなく息をひきとりました。
延命はせず苦しみを取り除いていただくという意志に、本人も家族も最後までブレがなかったこと、そして素晴らしい医師とスタッフとの出会いが理想の死をもたらしてくれたと思っております。
医師との終末期についての話し合いは、死生観というある種繊細な問題をはらんでいるため、あいまいな表現で終わってしまう危険性があります。明確な意志の形として、尊厳死協会のカードは大変役に立ってくれたと思い感謝いたしております。
【協会からのコメント】
リビング・ウイルに理解の深い医療者注)との出会いがあり、穏やかな最期を迎えることができた「看取りのエピソード」です。
終末期医療について、医療者との相互理解が成立していくプロセスが見えるようです。
救急搬送先や、それぞれの臓器別一般外来での診察では、求めること自体無理なのです。
「大学病院では考えられないような丁寧な問診、触診、検査、投薬をしていただき、本人が安心感に満たされた毎日でした」と、在宅訪問医療の本質を実際に経験された貴重な投稿をありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
※編集部注
人生の最終段階での医療的な希望を可能にするには、医師の理解と協力が必要です。尊厳死協会には、協会の理念に賛同し、患者が提示するリビング・ウイルを尊重して患者の想いに寄り添った医療を提供したいと表明された医師を登録する「リビング・ウイル受容協力医師制度」があります。下記のサイトから、お近くの地域のリビング・ウイル受容協力医師を検索することができます。ぜひご活用ください。
https://songenshi-kyokai.or.jp/drlist/