ダイヤモンドプリンセスで感染、下船後人工呼吸器装着
遺族アンケート
主人は、1/20~2/4 横浜港発着のダイヤモンドプリンセスの船旅に私と共に乗船し、予定通り2/4に横浜港に帰って参りました。ところが、ニュース等でご存じの新型コロナウィルスに感染し、2/6最初から発熱(平熱は35℃台です。)36℃~37℃が続き、船室から出られないため毎回コールし連絡しましたが、受け入れてもらえず、2/10 38.3℃になりやっと下船の許可が出、病院に入院させていただきました。もうその時はすでに肺炎を発症、呼吸困難でした。咳もひどく、酸素マスクを装置しても苦しい一方でした。
その時点で主治医の先生に、現在の主人の状態の説明を受け、「このままだと酸素も上がらず、酸素不足で多臓器に影響が出、多臓器不全に落ち、1週間~2週間でしょう」と。まず、人工呼吸器を挿入し(2/15 そのため全身麻酔)少しでも楽にと。その時主人は、私と先生3人に会員カードをみせ(先生は始めて拝見しましたと)
”先生は患者を治すためのご使命がおありでしょうが、私は30年近く、このリビング・ウィルの会員で延命の処置はしないでください。”とはっきりした言葉で示し、私も会員。子供たちと普段から聞かされていると申し上げ、先生は納得され、コミュニケーションに役に立ったと思います。その後の治療を子供たちに聞くと、先生方、チームを組んで患者側の了解を得ながら、一生懸命、亡くなるまでの6日間、夜通し治療に当たってくださったようです。
主人は意思を実現でき、(いつもお財布に入れ、持ち歩いておりました)最期の顔は本当に穏やかで、安心し微笑んでいるようでした。私は別の部屋で入院中でしたが、本当に先生方、看護師の方々によくして頂き、感謝しております。私は、3/1に退院でき今は元に戻り、子供たちの励ましに元気にしております。ありがとうございました。
協会からのコメント
30年にわたる人生の最終段階における自己決定権の行使をめざして来られたのですね。そのリビング・ウイルを明確に意思表明されたご主人様。医師とご家族の三位一体となるその対話の場が、どれほど真摯な場であったことかと、イメージしながら身の引き締まる思いで、何度も何度も読み返させていただきました。詳細を投稿していただけたことに心より感謝申し上げます。今、ピアノ曲・ショパンのノクターンハ短調を聴きながらご主人様のご冥福をお祈りしております。協会はこれからも共に寄り添いつづけて参ります。ご家族の皆様の日々が健やかでありますように。奥様、くれぐれもご自愛ください。感謝をこめて。