点滴をやめると1、2日で亡くなると言われて決断できず
遺族アンケート
86歳母/看取った人・娘/東京都/2023年回答
いざとなると治療方針に迷うこともありましたが、普段から「延命治療は受けたくないが、緩和ケアは受けたい」と聞いており、本人から主治医にも伝えていたので、周囲の受け入れには問題ありませんでした。そのことで家族としても気持ちがラクでした。
ただ、延命治療といってもその程度がいろいろで、母の場合は経口摂取ができなくなっても、点滴だけで2週間ほど少し苦しそうな状態でいさせてしまったので、そこだけ少しかわいそうだったかと思っています。ただ、点滴をやめると1、2日で亡くなるといわれていたので、そこは決断できませんでした。
その間毎日会って、本人もしゃべることはできませんでしたが、家族が来るとうれしそうにしていたので、私も覚悟する時間をもてたとは思っています。
病状も個人差があると思いますので何ともいえませんが、会員になっていたことで、医師、看護師の方々の理解がスムーズだったことに最も安心いたしました。まだ父がおりますので、今回の経験を得て、今後の参考とさせていただきます。ありがとうございました。
協会からのコメント
リビング・ウイルをご本人が伝えていても、イザ! となるとご家族が治療やケアの方針に迷うのは当然のことです。その時の病状も治療環境も、ひとりひとり違っていて、全く同じケースはありえないのですから。
正解のない世界だからこそ、日頃から、さまざまな例を数多く見聞きしておくと、イザという時の判断のお役に立つはずだと、「小さな灯台」は数多くの「看取りのエピソード」を紹介し続けていきます。
ご家族が「その時の命に向き合い」考え抜いた決断は、いつでも最良の方法だったと思って良いのだと、「認めあえる風潮」が育つことを願っています。
人は知らないことは怖いものです。知ることで、怖さを軽減できるかもしれません。何事も「備えあれば憂いなし」とはいえ、話題にしにくいのが「死」のテーマ。
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