「ホロッと母の目元から涙」の幸福な看取りに感謝

遺族アンケート

92歳母/看取った人・息子/神奈川県/2023年回答

今年の1月、病院で胃がんを告げられて、2月の下旬ホスピス付ホームに入居。まだコロナが終息とはいえない中、入居したホームは24H面会OK、亡くなるまでそばにいれたことがとてもありがたかったです。

入居の際、先生と今後の治療方針について話をしました。本人も家族も延命治療は望んでいないことを伝えると、先生も年齢を考えるとこれからつらい輸血点滴はなるべく行わず「元気な今を大切に」診ていきますとのこと。痛みが出てきた時、本人の希望で痛みが伴わない緩和治療をし、看取りまで行うとのことでした。

亡くなる当日、母は酸素マスク、点滴もせず、意識がない中、耳元で大きな声で今までの感謝を伝えると、ホロッと母の目元から涙が出てくるのを見て、自分の気持ちを伝えられたと安堵した気持ちになりました。最後のひと呼吸までそばで立ち会えたこと、感謝しかありません。

母が亡くなってまだ心に穴があいた毎日ですが、母の願いがかなえられてホント良かったです。母の生きざまを見て、自分も妻も今一度話し合い、延命治療は望まないと決めました。

この先どちらか一人になった時、意思表示として貴協会を利用しようと思っています。核家族や一人暮らしが増えている中、もっとアピールしていけばよいと思います。母がどのような経緯で貴協会を知ったのかわかりませんが、きっと自分の意志表示のできるところを見つけて安心していたと思います。母がいろいろとお世話になりました。ありがとうございました。

長〜いアンケートの回答になりました。主旨とは少し外れてしまいました。申し訳ありません。

協会からのコメント

緩和ケア、そして自然な看取りの実際を教えていただいた「看取りのエピソード」です。

「亡くなる当日、母は酸素マスク、点滴もせず、意識がない中、耳元で大きな声で今までの感謝を伝えると、ホロッと母の目元から涙が出てくるのを見て、自分の気持ちを伝えられたと安堵した気持ちになりました」とのこと。

自然で満足な看取りの時、不思議と例外なく目元からほろっと落ちる涙。これほど美しいものはありません。看取りを経験し続ける医療介護従事者たちの心の支えにもなるほどの感動です。

可能なら、希望する全てのご家族に「最後のひと呼吸までそばで立ち会えたこと、感謝しかありません」という幸福な体験につながる看取りを! と願わずにいられません。

ご投稿いただきありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。くれぐれもご自愛ください。