関わった全ての医師が「リビング・ウイルは大切なことだ」と
遺族アンケート
81歳夫/看取った人・妻/埼玉県/2024年回答
かかりつけ医から紹介された病院を経て、末期に近づいた頃には訪問診療を受けるようになり、関わってくださった全ての医師が「リビング・ウイルは大切なことだ」と理解してくださいました。
夫の場合は認知症も進んでいましたので、緩和ケアを本人も交えて選びました。
家族総出で介護できたこと、良かったです。一度も入院しませんでした。気づいた時は肺に転移し手術不可。本人は抗がん剤の苦しみは他者より聞いていたので、求めませんでしたが……。認知症のため、全てを理解はしてはいないようでした。痛み止めを素直に飲んだり貼ったりしていましたが、なぜいつまでも痛いのか疑問のようでしたが……ひたすら渡す薬を飲んだりお尻を出したりしていました。
家族としては罪悪感はありましたが、これでいいのだと胸に収めました。結果、最後まで自宅にいられましたし、たくさんのお見舞いも昼夜となく受け、ベッドも常に私の隣でしたので、寂しくなかったと思います。がんの肺への転移が発見されてから亡くなるまで5か月未満でした。
協会からのコメント
肺へのがん転移。5か月という時間の中、ご家族の心はどんなに揺れ動いたでしょう。ご本人もきっといろいろな思いがあったのではないでしょうか。
「全ての医師が『大切なことだ』と理解してくださいました」というリビング・ウイル。それに支えられ、導かれた、見事な「看取りのエピソード」です。
心から、ご冥福をお祈りいたします。