医師が勧めた胃ろうを本人が拒否

遺族アンケート

74歳夫/看取った人・妻/2024年回答

医師は最初、命を守るため胃ろうを勧めましたが(胃ろうの場合、パーキンソン病の薬を投与しやすいため)、本人が胃ろうを拒否していました。

結果的に本人の意志が尊重され、医師も本人の苦痛を和らげるよう、最大限の努力をしてくださいました。おかげさまで大変安らかに静かに旅立ちました。尊厳死協会の皆様、医療スタッフの方々に感謝しています。

協会からのコメント

ご本人が拒否をはっきり伝え、それを尊重したご家族、医療機関の「看取りのエピソード」です。ご冥福をお祈りいたします。

※編集部注)
胃ろう=「胃ろう」の言葉については、下記サイトが参考になりますのでご紹介します。
●公益財団法人長寿科学振興財団,健康長寿ネット 
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/shumatsuiryou/irou.html
「胃ろう」が延命治療になるのかどうかは、その時の患者さんの年齢、病態、回復への期待、家族の希望と環境などさまざまな条件によると考えます。食べること以外は自立して自分の考えを伝え、好きな所に行けるようなら「胃ろう」で生活することも良いでしょう。ただ、高齢者の場合、胃ろうを造設後、回復して再び口から食べられるようになるのはわずか3%程度ともいわれており「一時的な手段」ではなく「半永久的な手段」といえます。私たちが単純に言葉の解説だけでなく、たくさんの「看取りのエピソード」という「物語」を伝えることに努力しているのは、そのような個人差を尊重したいからです。