間もなく家に戻れると期待していたのに

遺族アンケート

93歳妻/看取った人・夫/福岡県/2024年回答

当時の妻は8年前に発症したリウマチが外見上は軽快したかに見えていたけれど、見えないところで薬害が進んでいたのか、この2月に慢性の「間質性肺炎」と急性の「肺炎」を同時に発症し、緊急入院しました。 

これも治療の効果で急性の肺炎は治まって、リハビリのため転院し、この分なら間もなく家に戻れるかと期待していました。

しかし4月6日(土曜日午後)、病院から容態急変の知らせを受けて急行した時には、すでに脳死状態でした。

あいにく土曜日午後の病院は休診中。当直医師の説明では、「薬を飲もうとして窒息したらしい。看護師が気付いた時、すでに呼吸は止まっていた。この先、仮に蘇生しても植物状態は変わらない……」ということでしたので、尊厳死の希望を伝えました。私たち夫婦はもちろん、たまたま帰省して同席していた娘もかねてから理解していたことなので、当直医師も素直に了解してくれました。

あっという間の死で、苦しむことも少なくて良かったのかも……と思っています。

協会からのコメント

どんなに覚悟していても、ご家族にとっては「死はある日突然」なのかもしれません。ご高齢になり、肺炎を繰り返すようになると、「死」は想定内のものとなります。だからこそ、「どこで看取り、看取られたいか」を、もっと自然に話し合えるようになると良いと願います。

誰もが健康であっても死に直面することはあります。その時、残された家族が少しでも後悔しない選択ができるよう、そのためにこそ、リビング・ウイルを伝えておく大切さを教えていただきました。ご家族のご健康とご冥福をお祈りいたします。