意思表示する意義の大きさ
遺族アンケート
86歳母/看取った人・息子/東京都/2024年回答
終末期に医師から延命措置を提案された時、母親の意志を強く伝えることができました。もし意志表示がなかったら、家族としては当然一日でも長く生きてほしいと思い、医師の提案を受け入れたでしょう。しかし、胃ろうや、麻酔を過剰に使った延命治療を母親は拒絶していたため、迷わずに断ることができました。母が望んでいた死に方を全うできたことを感謝しております。ありがとうございました。
100歳母/看取った人・娘/東京都/2024年回答
100歳という高齢もあって、医師もリビング・ウイルをすんなりと受け入れてくださいました。最後の数日は、施設で受けられる最大の酸素吸入量をもってしても苦しそうで、病院に入院させていたらもっと楽だったかもしれないと思うところもありました。でも本人、家族の希望であり、リビング・ウイルに背中を押してもらい、施設での旅立ちを見守ることができました。
93歳母/看取った人・娘/熊本県/2024年回答
医師の方は、会員証を提示等しなくても、母の意志を尊重してくださいました。10年以上前に亡くなった祖母の時と医療現場が変わってきていると感じました。最後まで、本人と家族の意見をよく聞いてくださいました。
母がリビング・ウイルに入ったのは、祖母の終末を間近に見たためです。私たちは、母の意志を尊重すればよい状態でしたので、治療方法、終末期等は、母の意志に沿って決断すれば良かったので、助かりました。何の後悔もありません。そのことが、リビング・ウイルに入ってくれた母のおかげだと思っています。
100歳父/看取った人・息子/千葉県/2024年回答
父が高齢だったこともあり、医師は家族の意志を確認してくれました(他の疾病で入院した時も)。ただ治療か延命かの線引は難しく、「人工呼吸、胃ろうはNG、通常の治療は続けてください」と言うくらいでしたが。父は貴協会のカードを持っており、また常々「尊厳死」と言っていましたので、家族や親族は皆承知していました。周囲の目(無理解な反応)を考えると、意志を伝えるカードを持つ意義は大きいと思います。
91歳父/看取った人・娘/千葉県/2024年回答
本人の意思を早くから聞いていたので、体調を崩す度に担当医に伝えていた。死因は間質性肺炎であったが、救急搬送された原因は肺炎であった。肺炎は治せても、間質性肺炎は治せない。では、どうするか? の選択をする際、迷わず苦しみのみ緩和してほしい旨伝えることができた。医師もそのように対応してくれ、苦しみをあまり感じずに逝けたと思う。私も加入したいと考えている。
協会からのコメント
リビング・ウイルを尊重し、ご本人の意思に寄り添うことができた「看取りのエピソード」を5件ご紹介します。
ご家族の思いと葛藤、医療者の対応、それぞれ一つ一つ違いがあり、いろんな局面があるものの、ご本人の意思が明確にご家族に伝わっていたことの効果がわかります。
リビング・ウイルカードを提示できたこと、医師がそれを実際に受け容れてくださる対処の仕方があることが、それぞれによく伝わってきます。
終末期の医療の選択には、さまざまな事態あることを知ったうえで、多くのご家族(代諾者)の方々が同じような場面に直面した時、何を決断すべきかを知り、その判断の後押しになる「看取りのエピソード」として参考にしていただければ幸いです。
貴重な体験をお知らせいただきありがとうございます。ご冥福を心からお祈りしております。

