医師は尊厳死協会を知らなかったけれど・・・。

遺族アンケート

緩和病棟に入院した段階で、すでに治療は行わないという前提なので事さら尊厳死協会に入会していると伝えることもなかったのですが、医師から「もういつ容態が悪化してもおかしくない」と伝えられた時に、一応、会員であることを申し上げました。意外なことに終末期医療専門でいらっしゃるにもかかわらず、協会の事をご存知なかった様子で、どういう協会か尋ねられたのでパンフレットをお見せしました。たぶん入会していなくても無理な延命はなさらなかったと思いますが、亡くなった本人の心がまえや納得に役立ったと思いますし医師もその事で安心なさったと思います。
病気がわかってからの本人の努力、自発的な行動、自ら病気に関する知識を求め、相談に奔走し病院を選び、医師とコミュニケーションを取り、そばで見ていて本当に感心致しました。
悲しみは募るばかりですが、今思いだしてもとても能動的でりっぱな対処の仕方だったと思っています。

協会からのコメント

リビング・ウイルの基本理念である自己決定権の行使をご主人は自分の最期のあり方を納得のいくものにするため、努力されたのでしょう。素晴らしいことです。そのことは、残された方の悲しみを癒し、今後の道しるべになったことでしょう。緩和ケア病棟やホスピスの医師でも、まだまだ尊厳死協会・リビング・ウイルを知っている割合は多くないのが実態ですが、今後、会員の皆様とともに実際事例をふやしながら、リビング・ウイルについても、ACPについても緩和ケア病棟やホスピスでの知名度を上げていく啓発努力を続けて参ります。これからも応援してください。