両親の辛い看取りの経験から・・・。

遺族アンケート

私は自分が病気を持っているので、私の方から「リビング・ウイルに入会する」ことを話しました。その時、夫も「自分も一緒に加入をしたい」と言って入会しました。後に夫の病気が分かったのは病院で検査をした時で、もう手のほどこしようのない末期の状態でした。それで少しでも本人の苦痛をとる「緩和ケア病棟」に入院し、1ヶ月半で死亡しました。私はあまりにも早い死亡に信じられない気持ちでした。だけれど、助からないのに無駄な延命治療をしなかった事が本人のためにも良かったと思っています。私の父母は本人の意志がないとの事で延命治療をされ、本当に辛い思いをさせました。私は自分のためにも子供達のためにも、自分の意志をはっきり示しておくためには尊厳死協会に入会する事が良いと思い、人にも勧めています。

協会からのコメント

夫婦がそれぞれの人生の≪目標・信念・価値観≫を語りあうことが必要不可欠だと、結婚専門のカウンセラーは言います。でも、そこまで向き合うことのない夫婦が多いのが世の常、人の常。なのに、自分の価値観と信念を明確にされた奥様も立派!それに同意、同調されたご主人はさらに立派だと思いました。とかく、“女、子どものいうこと・・・”には耳を貸さない意地をはる男性もまだまだ多いのに。きっと≪人生の目標と信念、価値観≫をキチンと対話してこられた素敵なご夫婦だったのでしょうね。
そして、「私の父母は本人の意志がないとの事で延命治療をされ、本当に辛い思いをさせました」と、過去の後悔体験を見事に活かし、納得の結果を得ておられます。 リビング・ウイルを果たすためには、その意志を代行してくれる代諾者(この場合妻)と、その意志を明確に言葉にして伝え行動しておく。この二つが必須条件である大事さが良く伝わる“看取りのエピソード”です。思いを形にするための決断。そして行動することが、大切な人を亡くする哀しみを癒す力にもなるのですよね。 素晴らしい体験例を投稿していただき本当にありがとうございました。