「2022年1月埼玉県ふじみの市で起きた訪問医療チームへの銃撃事件」について

犠牲になられた在宅医・鈴木純一医師のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。

一部報道機関により、容疑者は『在宅医療だから胃ろうができないというのはおかしい』と医師に苦情を訴えていた」との報道がありましたが、在宅医療であっても、その必要を医師と医療チームが認めれば、胃ろう造設は可能です。ただその選択の必要がなかったのでしょう。この事件からは、医療上のトラブルというより、92歳の実母をひとり介護する66歳の息子さんの「孤独の闇と悲しみの深さ」を感じます。訪問医療者はしばしば、どんなに高齢であっても親はあたかも死なないと思っておられるようなご家族や、どんなことをしても1日でも長く生きてほしいと執拗に延命にこだわられるご家族に出会うことが多いのです。そんなご家族に、「小さな灯台」からは、”お釈迦様とキサーゴータミー(わが子を亡くした母)”の説話を紹介いたします。”死はかならず訪れるもの” という物語を多くの人々に改めて伝えてみたいと思います。

お釈迦様物語 お釈迦様とキサーゴータミー

 今日もリスクを顧みず訪問診療に尽力されている医療とその関係職の皆様方へ、心からの敬愛をこめて、『小さな灯台』はこれからもリビング・ウィルグリーフケアの大切さを社会に啓発し続けて参ります。